【将棋の勉強法】強くなるために最も大切なのは継続すること
将棋というゲームは複雑で、簡単には強くなれないゲームだ。何年も続けているのに強くなれない...そんな風に感じている人も多いのではないだろうか。
強くなるために何が大切か?と聞かれると、間違いなく「続けること」だと答える。そのためにも、将棋の勉強を「習慣化」するのが大切だ。
本記事では将棋を習慣化が大切な理由や、習慣化するための具体的な方法、また絶対に習慣化しておいたほうが良い将棋の勉強法について解説する。
【ブログ主の将棋歴】
強くなるために続けることが大切な理由
将棋は詰め込んでもすぐに強くなれないゲーム
続けることの大切な理由の1つ目は、「将棋はちょっと詰め込んだくらいでは強くなれない」からだ。
将棋は他のゲームに比べて複雑さが段違いである。将棋は1つの局面で平均80通りの手があると言われている。将棋の1局の手数は短いものでも60手程度はあり、単純な局面の分岐数を計算すると膨大な局面数になる。
実際には各局面で有力な候補手は多くても5〜6手程度であることがほとんどだが、それでも内容が同じ将棋はほぼ現れない。
つまり、将棋はちょっとセオリーを覚えれば勝てるような単純なゲームではなく、長い時間をかけて正解手を導き出せる考え方を身につけていくものなのだ。
将棋は離れると弱くなるのが早い
続けることが大切な理由の2つ目として、「将棋は離れるとすぐに弱くなる」からだ。どちらかといえばこちらのほうが大事な理由だと言える。
例えばブログ主の場合、最も将棋に打ち込んだのが大学在学中で、棋力はアマ五段(将棋倶楽部24で2400点程度)まで到達したことがある。
しかし社会人になってからは将棋から大きく離れた。今年の2月に久々に再開した当初の棋力は、アマ二〜三段程度まで落ちていた。
再開後にすぐ棋力が戻ったのかと言うと、残念ながらそんなことはなかった。
再開後は毎日将棋をやっていたが、1ヶ月近くは三段だった。3ヶ月以上継続することで、ようやく将棋倶楽部24で五段(2300点)に戻ってきたが、それでも一番打ち込んでいた当時の棋力までは戻せていないのが現状だ。
これはあくまでブログ主の例だが、将棋は一度離れると弱くなるのがとても早く、そしてその棋力を戻すのがとても大変なのだ。
継続するための習慣化の方法
「毎日絶対にできる」時間と内容を習慣化する
ここからは習慣化の具体的な方法について解説する。
習慣化する上で大切なのは、「毎日絶対にできる時間」と「毎日絶対にできる内容」を行うことだ。
例えば、社会人であれば仕事が忙しく残業が発生することがあるだろう。学生であれば勉強や部活が忙しくなり、自由に使える時間が増えることもあるだろう。
それ以外にも、友達付き合いなど急な予定が入ることがあると思う。そのような想定外なことが起こっても、毎日絶対に続けられる時間と勉強内容を決めるべきだ。
人によっては10分程度しかないかもしれないが、10分を甘く見てはいけない。
例えば「将棋クエスト」というアプリに「詰めチャレ」という機能がある。30秒で実戦詰将棋を1題解くというもので、10分あれば毎日20題解くことができる。毎月やれば600題、1年通せば7200題を解くことになる。これだけの実戦詰将棋を解けば、1年後には相当終盤力が向上するだろう。
勉強時間を最初から長く設定するのはおすすめしない。できなかった時に挫折して将棋から離れてしまうきっかけになるからだ。時間は「少なすぎるかな?」と感じる程度からはじめて問題ない。継続しているとそのうち物足りなく感じるようになるので、そうなってから時間を伸ばせば良い。
また時間だけでなく、勉強内容も「絶対にできる」ものをチョイスすべきだ。例えば詰将棋が嫌いな人が無理にそれをやる必要はなく、実戦が好きなら実戦をやれば良い。苦になる勉強法を続けるのは挫折のキッカケになる。挫折せず続けるのが強くなるために最も大切なことだ。
このように、「絶対にできる時間」「絶対にできる内容」の2つを継続していくことで、その人なりの習慣化ができるようになるはずだ。
絶対に取り入れるべき勉強法
取り入れるべき勉強法は「振り返り」の1点のみ
習慣化する勉強法は何でも良いが、どんな勉強法を取り組むにしても絶対に取り入れるべきなのは「振り返り」だ。実戦であれば感想戦をやること、詰将棋であれば解けなかった問題の回答を確認して解き直そう。
振り返りの重要性を確認するために一つ例を考えてみたい。以下の2人だと、どちらの勉強法のほうが上達するだろうか。
答えは間違いなくBさんである。
Aさんのほうが実戦数は3倍以上で、費やしている勉強時間もBさんの倍以上はある。ただ感想戦を全くしないというのが問題だ。自分の将棋のどこが良かったのか、どこが悪かったのかを理解しないまま指し続けており、棋力向上が望めない。
一方Bさんは対局数こそAさんより少ないが、振り返りで1局ごとに良かった手、悪かった手を認識しているため、着実にステップアップできている。良かった手は再現性を高め、悪かった手は再現性を抑えるように意識しながら取り組める。
たった5分の差だが、1ヶ月、1年という長い期間で考えた場合、この5分の振り返りの有無が大きな差となって棋力に反映される。振り返りをやるかどうかで、将棋の棋力が伸ばせるかが決まるといっても過言ではない。
振り返り対象蓄積のススメ「バックログ」
ただ振り返りを疎かにしてしまう人の多くは、「振り返りの重要性は理解している」という人がほとんどではないだろうか。実戦で負けて熱くなり、感想戦をやらないまま次の対局を行って、結局振り返りをしないという人は多い。
そんな人におすすめなのが、振り返り対象を「貯めておく」ことだ。ブログ主は「バックログ」と呼んでいる。要は、対局後にすぐ感想戦をするのではなく、後で振り返る対象としてわかるように貯めておくのだ。
例えば毎日実戦をやるのであれば、それを翌日の勉強の初めに振り返るようにしたり、あるいは週末にまとまった時間を確保できるのであれば、そこで貯めておいた振り返りリストを消化していくような感じだ。
実戦は局後すぐだと冷静に振り返れないことも多いが、時間が経つと冷静に振り返りができることが多いので、勝負に熱くなりやすい人ほど効果的だ。ブログ主も再開直後は朝に実戦、夜に振り返りの「バックログ」を習慣化していた。
この記事のまとめ
- 将棋で強くなるために最も大切なのは「継続すること」である。
- 「絶対にできる時間」「絶対にできる内容」を習慣化する。
- 振り返りは絶対に取り入れる。毎日が難しいなら「バックログ」にする。
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