将棋ウォーズ26日目:泥試合を制しての3連勝
今日は久々にウォーズで3連勝した。
対局相手は五段を含む強豪3人相手だったことを考えると、実力以上の結果であることは間違いない。格上に勝つ可能性があるのも10秒将棋の面白いところではある。
ただその内容というと決して綺麗な勝ち方ではなく、3局ともいかにも人間同士の対局らしい泥試合だった。折角なので全ての将棋について簡単に振り返っておこう。
対五段(脇システム)
角交換回避型の脇システム
【先手:相手 後手:bobsho】
珍しく矢倉の将棋だ。
矢倉について、俺の定石は10年前くらいで止まっている。ただ10年前にも脇システムなんてものはあった気がするし、当時は結構流行ってた記憶もある。
さて図の局面。ここから相手は▲6八角と角交換を避けてきた。こちらがいかにも「角変えてくださいよ」的な構えで待っているから自然と言えば自然な気がする。
図以下は▽8五桂▲8六銀▽9四歩▲9六歩▽7二飛▲5七角▽8二角▲6五歩と進む。
ここで本譜▽6四歩としたが、▲8四角と歩をとられて桂損が確定した。これでシンプルに苦しくなった...無策なの悲しい。
▽7三角とするのは▲7五歩が気になってできなかったが。ただ以下▽同歩▲同銀▽7七歩▲6八金右▽5五歩と動いていけば、充分に戦えそうな展開だった。
先手も自玉まわりに拠点ができている以上、▲8四銀とは出にくいだろう。
そのため▲8六歩から攻めの要になっている桂を取り切る方針が自然だが、▽5六歩▲同金▽5四銀と立った姿が良い。桂損の代償は大きいが、堅さの差で十分戦えると思う。
シンプルな手順で決まっていた
【先手:相手 後手:bobsho】
先手有利の中盤戦。ここで本譜▲2四桂はいかにも筋っぽい攻めだが、どうやらこれが悪手でやや形勢が接近した模様。▽4二金寄で意外と継続手が難しかったようだ。
代えて▲2四歩▽同銀▲同角とあっさり攻めるのが良かったようだ。
以下▽同歩に▲2三歩で殆ど決まっているだろうか。▽同金は▲5二角、▽同玉は▲2五歩でいずれも応手に困りそうだ。
泥試合を制する
【先手:相手 後手:bobsho】
終盤、お互いに悪手を繰り返して形勢が混沌としている局面。
ここで先手が▲5一飛と指したが、結果的にはこの手が敗着となった。
以下▽4二銀引が絶好で、▲6一飛成▽4七角成で局面を制圧した。
以降すんなり決められない局面が続いたが、146手の熱戦の末なんとか勝ち切った。
対三段(四間飛車穴熊)
四間穴のミレニアム対策の対策を知りたい
【先手:bobsho 後手:相手】
今日指した別の将棋から、振り穴に対してミレニアムを採用した1局だ。
後手の▽6四金がいかにもミレニアム対策という手で、本譜はシンプルに7筋を攻められて劣勢になった。
これどうやって切り返すのか気になったので調べてみると、どうやら▲9七銀という手が良いようだ。狙いは単純で、▽4二角には▲8六銀と上がり、数で受けようと言うことだ。
なんともシンプルだが、自玉の囲いを崩す手なだけに盲点になりやすい。
しかし、それでも7筋を強行突破にきた場合どうなるか、ここでの対処手順も参考になるので並べておこう。
図以下▽5二飛▲5八飛▽7二飛▲8六銀▽4二角▲3六歩▽7五歩。
一見、数の攻めで困っているように見えるが、▲同歩▽同金▲同角▽同角に、▲7三歩▲同飛▽6五桂が狙いの切り返しだ。
以下は▽7二飛▲7五角▽同飛▲5三桂成と進む。
この局面は、驚くことに1000点近く先手が優勢だ。
7七の桂を手順に逃げたのが大きいのだろう、飛車先が直通ではあるものの、こちらの玉に対して意外と嫌味がない。これは7筋突破の受けとして参考になりそうなので、覚えておこう。
対四段(相穴熊)
うまく寄せれたように見えるが...
【先手:bobsho 後手:相手】
もう1局は相穴熊の将棋だった。驚くことに今日は右玉を1局も指していない。
この将棋では終盤を振り返っておこう。本譜は▲5三桂成と攻めて1手勝ちになったわけだが、まずその手順を並べておこう。
図から▲5三桂成▽5八歩成▲7八金右▽6九銀▲6二成桂▽同金▲7一銀▽同銀▲同龍▽8二銀▲6四角。
龍と角を連動した攻めだ。以下さらに進めて、▽7三桂打▲6二龍▽7八銀成▲7二金。
自陣は見ずにノーガードで1手勝ちを目指していった。
以下▽8八成銀▲同金▽7一金▲7三角成。
べたべたと張り付いていく。以下▽7二金▲同馬▽7一金▲7四桂▽7二金▲同龍▽3七角成▲4六銀▽7一銀▲7三銀。
いかにも穴熊の食いつきって感じで寄せていった。以下▽同銀▲7一龍▽9三角▲7三龍▽同桂▲7二金。これで後手の受けがなくなった。
ミスがないように見える寄せ。しかし後手には粘りの順があった。
実は一番最初の局面。
ここで▲5三桂成と攻めたのだが、▽3二飛成と粘る手があったのだ。
いわゆる自陣龍ですね。こういう受けは自分ができないから本当に見えない...
実際の形勢としては▲6二成桂▽4一龍▲6一成桂▽同龍▲1一角成くらいで十分なのだろうが、この順にするよりは▲2一飛成としておいて、▽3二龍を消しておいたほうが良かったのは間違いない。
優勢な時は、相手の粘りを読めるともっと勝てるようになるのかもしれない。