中盤・終盤力を磨く次の一手問題集(2)
前回に引き続き、自分の将棋を題材にした次の一手の問題集を作ってみた。
※作成経緯は初回記事の冒頭にまとめているので、興味がある方はご覧ください。
問題11:終盤の問題(6)
【先手:babsho 後手:相手】
▲2五角に▽4一玉と逃げた局面。先手の次の一手は?(3手の読み)
問題12:中盤の問題(6)
【先手:相手 後手:babsho】
▽3七銀に▲4七飛と逃げた局面。駒損が大きく後手劣勢だが、どう指すか?(3手の読み)
問題13:中盤の問題(7)
【先手:相手 後手:babsho】
先手が4四角と切った局面。▽同歩と▽同飛、どちらの応手が正しいか?(その後の手順も含めて)
問題14:終盤の問題(7)
【先手:babsho 後手:相手】
▽5五歩としたところ。後手玉をどう寄せるか?
問題15:中盤の問題(8)
【先手:babsho 後手:相手】
後手が▽5六歩と突いた局面。優勢を決定付ける一手は?
問題16:終盤の問題(8)
【先手:babsho 後手:相手】
▽4四歩と攻めを催促してきた局面。後手玉を寄せるには?(3手の読み)
問題17:中盤の問題(9)
【先手:babsho 後手:相手】
後手が▽7五歩と桂頭を攻めてきた局面。先手はピンチをどう回避するか?
問題18:中盤の問題(10)
【先手:babsho 後手:相手】
▽2二飛とした局面。後手は▽4二角から▽7五歩を狙っているが、どう対応するか?
問題19:終盤の問題(9)
【先手:相手 後手:babsho】
▲4八同金と、と金を取った局面。後手の次の一手は?
問題20:中盤の問題(11)
【先手:babsho 後手:相手】
▽7四角と銀取りに出てきたところ。どのように対処するか?
次の問題集はこちら
中盤・終盤力を磨く次の一手問題集(1)
将棋ウォーズにクイズという神機能がある。個人的に中盤・終盤の棋力向上の最適解ではないかと思ってる。クイズ機能とは、自分の実戦からAIが問題を自動生成してくれるという優れものだ。自分の実戦より良い教材は無いし、なんとなく感想戦をやるよりも確実に上達できそう。
ただ唯一の欠点は、問題の自動生成ペースが少ないというところ。自分の場合は100局程度指して問題数は10題に満たない。また前月分を解くためには課金が必要だったりする。であれば自分で作ってしまえば良いのではないかと思い、次の一手問題集を自作してみることにした。
また、正解手の変化だけではなく自分なりの解釈を加えるようにした。題材となった将棋は殆どが10秒将棋の早指しの将棋なので、「どうすれば正解手を候補手として思いつくようになるか」を意識して、局面の目の付け所やポイントについて書いてみた。
問題は1記事あたり10問。
中盤・終盤を伸ばす勉強法を模索している方は、試しに解いてみてはいかがだろうか。
問題1:終盤の問題(1)
【先手:相手 後手:babsho】
▲4八同飛とした局面。後手の次の一手は?
問題2:中盤の問題(1)
【先手:相手 後手:babsho】
▲7三桂と褌の桂を打ってきた局面。どう対処するか。(3手の読み)
問題3:中盤の問題(2)
【先手:相手 後手:babsho】
▲2三飛成と一方的に龍を作られて、劣勢の局面。
先手陣に嫌味をつけるにはどうすれば良いか。(3手の読み)
問題4:中盤の問題(3)
【先手:相手 後手:babsho】
▲7五歩と銀取りを受けた局面。大駒を捌くか、一旦は飛車を逃げておくか。
問題5:中盤の問題(4)
【先手:相手 後手:babsho】
先手が▲5五角と出たところ。後手の応手は?
問題6:終盤の問題(2)
【先手:相手 後手:babsho】
先手が▲3二馬とした局面。後手の次の一手は?
問題7:終盤の問題(3)
【先手:相手 後手:babsho】
先手が▲4四歩と打った局面。相手の攻めをうまくかわすには。(3手の読み)
問題8:終盤の問題(4)
【先手:相手 後手:babsho】
▽2七歩に▲同飛と対応した局面。後手の次の一手は?
問題9:中盤の問題(5)
【先手:相手 後手:babsho】
先手が▲2三歩成とした局面。一気に先手陣を攻略するには?(3手の読み)
問題10:終盤の問題(5)
【先手:相手 後手:babsho】
▲5七角と打ち、6七の銀を守りつつ8四の桂に紐をつけてきた。後手の次の一手は?
次の問題集はこちら
将棋ウォーズ35日目:今日も1日寝かせて向き合う
昨日に引き続き、前日の将棋を振り返っていこうと思う。
美濃囲い攻略はやはり玉の小瓶
【先手:bobsho 後手:相手】
右玉の将棋で、桂交換が行われた局面。
本譜ここで▲8九飛だが、▽2四歩でやや攻めを急かされる展開となった。
ここでは▲6五歩で良かった。
もちろん見えていた手だけど、▽同歩▲6四桂の順は攻めとしては弱いかなと思ってた。
ただ▽同歩には▲4二角成▽同金▲7四桂と直接的に玉の小瓶を狙って良かったようだ。
▽同歩は▲6四角で王手金取りがかかるので▽9二玉と逃げるが、そこで▲9五歩と突いておく。以下▽7四歩に▲9四歩と取り込んだ局面は、一瞬桂損しているけどはっきり先手が指せそうな局面だ。
中盤は玉の堅さをキープしよう
【先手:bobsho 後手:相手】
▽4六歩と取り込まれた局面。
本譜はここで▽5四桂と銀を取ったが、▽4七銀と打ち込まれて自玉を薄くされてしまった。形勢は良いのだが、実戦的には嫌な変化だ。
ここは▲同金と応じて、自玉の金を簡単に剥がされないようにしたかった。
以下▽4五歩には強く▲3五金と出て問題ない。
▽同飛▲同歩▽4六歩には、▲5八玉と避けておいて相手の攻めを受け流せそうだ。
バランス型には右銀を立ち遅れないように駒組みをする
【先手:bobsho 後手:相手】
普段は逆を持つことが多いのだが、この将棋はこちらが矢倉を持った。
本譜は▲2四歩から1歩を手持ちにしたのだが、歩交換よりも手損するデメリットのほうが大きかったようで、以下のように後手陣に盛り上がられてしまった。
こちらの銀が立ち遅れており、以下▽5五歩からはっきり後手が優勢になった。
というわけで、歩交換よりも銀の進出を優先させるべきだった。
ここから▲3六歩▽5四歩▲3七銀と、飛車先の歩交換よりも銀の進出を優先させる。
以下▽5二金と右玉風味に構える手に、▲4六銀▽6二玉▲6九玉▽4四歩▲3五歩のような展開になれば、先手も不満のない1局の将棋。
本譜と違い、先手の右銀がしっかりと使えている。
以下▽4三銀▲3四歩▽同銀▲2四歩のような展開だが、主導権を握れているのでそこまで不満はないと思う。
バランス型に対しては、右銀を立ち遅れないように駒組みを意識していきたい。
将棋ウォーズ34日目:棋譜は1日寝かせると良いかも
昨日はブログへのUpができなかったが、将棋ウォーズ自体は3局指していた。
仕事でブログの投稿ができなかったため、1日寝かせた状態で振り返ることになったのだが、頭も気持ちもスッキリした状態で振り返られるため、良いかもしれない。
桂頭を狙う十時飛車と筋違い角
【先手:相手 後手:bobsho】
雁木から引き角で早々に角交換を挑んでくる珍しい序盤。
本譜は▲6五歩と突いたが、ここでは▽7五歩と突くのが最善のようで、以下▲同歩なら▽8六歩▲同歩▽同飛▲8七歩▽8四飛と手を渡す。
次に▽6五歩▲同歩▽6六歩を狙いにして、既にここでは後手が指しやすいようだ。
▽6六歩に▲同銀は▽8六歩から十時飛車、▲7六銀は▽9四角が厳しい。
やはり桂頭を狙いにするのが急所なんですね。
狙いの手順を入れ替えてみる発想
【先手:相手 後手:bobsho】
本譜ここで▽9五角と打ち、6二の金狙いと、▽6七との空き王手を狙っていった。
ただここでは先に6七とが良かった。
▲同金は▽9五角と打ち、6二の金をタダで取れる。
5一飛成なら▽5八ととした局面が、本譜と比べて角を温存できているため、遥かに得をしている。
数手順の狙いが思いついたら、手順を前後できないか考えてみると良いかもしれない。
玉まわりの空間は埋めよう
【先手:相手 後手:bobsho】
babshoの頓死シリーズへようこそ。久々かもしれません。
本譜ここで▽4五桂と打ちましたが、▲3四銀以下ピッタリと詰まされました。
以下▽同玉▲4六桂▽2五玉▲2九香▽2六銀▲3四銀でピッタリ。
ここでは▽3四金と玉まわりの空間を埋めておけば磐石だった。
この空間を埋める手、以前も出てきたなぁ。
これは間違いなく将棋ウォーズのQuizに出題されそうな問題だ。
右玉は褌の桂を警戒しなければ
【先手:相手 後手:bobsho】
本譜ここで▽7二玉だが、6四の空間がある形で7二玉、5二金の構えをするのはかなり危険だった。
本譜▽7二玉以下、▲4五桂▽3三桂▲同桂成▽同金▲3五歩▽同歩▲7五歩と、褌の桂を狙いにされて困ってしまった。
なので、▽7二玉と寄るところでは6四の空間をカバーすべく、▽5五銀が良かった。
以降は6四に銀を繰り替えてから▽7二玉と寄れば良い。
攻めとしては▽4四角〜▽7五歩が一例の攻めで、そこまで行けば右玉側が主導権を握れる流れになっていたようだ。
ミレニアムで5筋を突かれた時の手順を覚えておこう
【先手:bobsho 後手:相手】
ミレニアムの中盤戦で、▽5四歩〜▽5五歩が見えているだけに何か対処が必要な局面。
本譜は▲8六歩▽5四歩▲2四歩▽同歩▲同角としたが、ミレニアムの将棋で▲2四角と出る仕掛けは、ほとんどうまく行かないようなきがしている。
変えてここでは▲7八金右と固めておき、▽5四歩に▲2四歩▽同歩▲3五歩▽同歩▲2六飛という仕掛けが、鉄板の仕掛けのようだ。
相手からの5筋の仕掛けにも浮き飛車でケアできている。
ちなみに▲3五歩に▽4四飛でも▲2六飛と浮いておき、▽3五歩▲同角▽3四飛▲3六飛▽4四角は、▲同角▽3六飛▲4五桂で、はっきり先手が良い。
▽6三銀と引かれて▽5五歩を狙われる将棋には、次回からは▲2四歩〜▲3五歩〜▲2六飛で対応してみようと思う。
昨日は頓死の将棋、クリックミス、序盤から敗勢と、振り返るには悲しい内容だったのだが、1日寝かせると案外冷静に検討できるのでおすすめ。
将棋ウォーズ33日目:序盤のイロハを学んだ日
今日は珍しく序盤について振り返っていこうと思う。
なぜなら慣れない序盤に困らされてしまったから...
後手石田流 馬作らせ作戦の対策を学ぶ
まずは力戦模様の将棋から。
【先手:bobsho 後手:相手】
後手石田で▲6五角を打つやつ。やられたら結構困りますよね。
馬を作ってこんな感じの局面に。
歩得な上に馬ができているので、優勢なのは間違いない。
しかし相手陣に隙もないので、ここからの方針が難しいところ。
一例は▲6七馬▽3三銀▲3九金▽1四歩▲3六銀▽1五歩▲6六角。
最後の▲6六角がなんとも意欲的な一手。
以下相手が▽7一銀〜▽8二銀の手待ちをしてきた場合、ここまでいければ理想。
飛車を狭くする感じ。
次に▲4五銀▽7四飛▲2二角成▽同金▲6六馬▽3三歩▲8五銀まで行けばはっきり優勢。
まとめると、盤上を馬で制圧しながら、相手の飛車を圧迫するような駒組みをしていけば良いということがわかった。
カナケンシステムの対策を学ぶ
続いて三間飛車の将棋。
▽5四銀と出てくる手に対し、本譜は手堅い▲6六歩。
もちろんこれも悪くはないのだが、角筋を止めることで相手に自由に動かれたのが次の局面。
▽3六歩▲同歩▽4五銀が、俺がやってた時代だと「カナケンシステム」っていう指し方だったような気がする。
この時、角筋が通ったままだと▲4四角と出れてしまうので、カナケンシステムは実現しにくいと思う。(相手の角が5一に引けないので)
▽5四銀の局面に戻り、角筋を止めずに▲7八金と上がってみたい。
▽6五銀には▲7五歩と突ける。以下は▽7六銀にも▲8八角と引いておけば問題なさそうだ。カナケンシステムは強力なので、次回からは▲7八金と対処してみたい。
序盤はちょっとやってもなかなか同じ局面には遭遇しないので、振り返りはどうしても手を抜いてしまいがちだが、今日みたいに序盤で悩まされた時にはちゃんとやったほうが良いと思った。
将棋ウォーズ32日目:超高段の右玉対策
今日は六段の超高段とマッチングした。
右玉に対する対策が斬新だったので、その対策について勉強しておこう。
【先手:bobsho 後手:相手】
右玉に対して、▽4三金から棒金に出てきた。狙いはシンプルに▽3五歩だ。
本譜は▲2七銀と上がって受けたが、ここでは▲8五歩と手を渡しておいて良かった。
以下▽3五歩には▲5八金▽3六歩▲同金▽3五歩▲2六金で、それ以上の攻めがない。
先手は▲8九飛〜▲8四歩から、十字飛車の筋で5四の銀を狙えば良さそう。
普通は桂馬の頭にこのような拠点を作られると悪そうだが、5四の銀を狙いにできるため、先手が指しやすいのだろう。
本譜は▲2七銀と受けたことで3七の地点が弱くなり、後手の猛攻を受ける。
図の局面だが、3八にいた銀が2七に上がっているのを咎められている。
銀が3八であれば▲4六歩と打ち、▽3七桂成▲同銀でなんともないのだが、銀が2七に上がってしまっているため薄い。
ただそれでも▲4六歩と打つべきで、以下▽3七桂成には▲同金と対処すべきだったようだ。本譜は▲同桂と応じたため、▽4六歩の叩きが痛かった。
▲4六歩と応じる変化は、▽4五歩からの攻めが気になっていた。▲同歩は▽3五歩や▽1五角などを組み合わされて攻め潰されてしまいそうだ。
そこで、▽4五歩を手抜いて▲8九飛とまわり、やはり▲8五歩〜▲8四歩を狙いにいくのが良かったようだ。
以下▽4六歩▲8五歩▽4五桂には、強く▲2六金と上がって受けておけばそれ以上の攻めがない。
▽4二角と角交換の狙いには、▲7五桂と受けておくような要領だ。
右玉を持つとどうも受け一方になりがちだが、貰った桂馬を生かしてカウンターをできるようになるとより勝率が上がるのだろう。
中盤以降は形勢が良くなったり、悪くなったりを繰り返す。10秒将棋なので仕方のないところ...
そして最終盤、超強豪相手にほぼ勝勢のところまできていたのが次の局面。
▲7七歩に▽9八馬と逃げたところだ。自玉は入玉を達成しており、後手玉を寄せれるかどうか...
本譜ここで▲5五飛と打ったがこれが悪手で、▽6六玉と逃げられてしまった。
以下▲5六金で馬は取れたが相手玉が寄らなくなってしまった。
ここでは落ち着いて▲7八桂と上部脱出を防ぐのが良かった。
うーむ...実に落ち着いた一手だ。
次に▲5五飛の狙いもあるし、▽6六玉を防いだことで▲8六金から押し返す狙いもある。複数の狙いがあると後手も対処するのは大変だろう。
10秒将棋でこのように落ち着いた手を指すのは至難の技だが、指せるようになれば高段者を名乗っても良いのかもしれない。
将棋ウォーズ31日目:途中までは完璧だったが...
今日は四段との対局について振り返っていこう。
【先手:相手 後手:bobsho】
先手は四間飛車→向かい飛車に振り直し、隙の無い状態で角交換を挑んできた。
角交換するかは迷うところだが、角を引くと▲6六銀から中央を制圧されそうなので、勢いよく▽同角成と応じた。以下▲同桂に▽5三銀。
▽5三銀は▲7一角からの馬作りを防いだ手。
これでも▽7一角はありそうだが、以下は▽5二飛▲8六歩▽4四銀▲8五歩▽7二飛▲4四角成▽同歩▲8四歩▽4二飛と対応すれば、後手が十分だ。
というわけで先手は▲7一角を打たずに駒組みを進める。
数手進んで以下の図。
いま▽3五歩▲同歩に▽5三角と打ったところだ。
▽5三角は▲7一角の筋を消しながら、先手の玉頭を狙った手。
以下▲6四歩▽同角▲6六銀▽3五銀▲6五銀▽3六歩と進む。
▽3六歩のところ、一度角を逃げる手もありそうで悩ましいところ。
本譜は早指しらしく、勢いよく攻め合いを選んだ。
以下▲6四銀▽3七歩成▲同玉▽3六歩▲4八玉▽6四歩▲7一角。
6四の角が居なくなったことで飛車の紐が外れており、純粋に飛車と銀の両どりがかかった。この瞬間に成果をあげないと一気にダメにしてしまいそうな局面だ。
本譜はここから▽3七銀▲同金▽同歩成▲同玉▽4五桂打▲4八玉▽3七金▲5九玉▽4七金▲同金▽4六銀と猛攻を続ける。
駒損は大きいが、一気に成果をあげれそうな局面でもある。
以下▲同金▽7二飛▲3五角成▽5七桂成▲4九玉と進んだのが次の図。
ここが最大のチャンスだった。
ここまでの流れは完璧だったが、本譜はここで間違えてしまった。
本譜はここで▽3七銀と打った。悪手ではないが▲3八金と打たれて先手も粘れる形になった。
ここでは▽3四歩が正解で、以下▲3六馬に▽3五銀がわかりやすかった。
なんともシンプルな手順に見えるが、これが見た目以上に厳しい。
馬を渡したくないので▲同金と対応したいが、▽同歩が詰めろ馬取りになってしまう。以下▲3七馬にも▽3六歩や▽4五桂の追い討ちができるのだ。
一方▲同馬と対応すれば、詰めろではないが▽6七角の王手飛車が残る。いずれにしても後手の攻めが切れず、かつ鉄壁の守りであるため、勝勢に近い局面になっていた。
うーむ...この▽3四歩から▽3五銀、シンプルながらしっかり読みが入っていないと指せない手順だ。