babshoの将棋ブログ

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第2期じゃん王戦の対局振り返り(4)

じゃん王戦の対局を振り返るシリーズ。今回は3回戦のはるんさんとの対局を振り返っていこうと思う。

はるんさんもはてなブログをされていて、対局の振り返りや詰将棋などを記事にされている。はるんさんのブログはこちら。

senjanharun.hatenablog.com

 

将棋はというと、1局目は相右玉という珍しい戦型、2局目は急戦矢倉の将棋になった。今回は熱戦だった2局目の矢倉の将棋について、振り返っていこうと思う。

 

 

【序盤】いつも迷う矢倉の戦型選択

【先手:babsho 後手:はるんさん】

矢倉の出だしから▲4六歩と突いたところ。シンプルに矢倉にするのであれば▲4六歩は突かないのだが、残念ながら最近の矢倉の定石を知らない...

なので、定石を外して力戦になりやすいように駒組をしており、相手の出方を見ながら右玉と、本譜の急戦矢倉を天秤にかけながら駒組みをしている。

本譜は▲6六銀と出て急戦矢倉を目指していった。

9筋の端歩の交換が入っているのが大きい。入っていなければ▽8六歩▲同歩▽同角▲8七歩▽9五角というのが昔からある受けの定石手順だが、それが無くなっている。

本譜も▽8六歩と歩の交換をしてきたが、角は9五に引けないため4ニに引くことになる。以下▲5五歩と開戦していった。

▽同歩は▲4五歩▽同歩▲同桂▽4四銀▲4六銀と進むため先手が好調。2枚の銀に桂も使えてガンガン攻めて行けそうだ。主導権を握り、先手ペースで中盤戦を迎えた。

 

【中盤】2枚銀での好調な攻め

【先手:babsho 後手:はるんさん】

こちらの▲5五歩の仕掛けに対し、実戦は▽6四歩と受けてきた。以下▲5四歩▽6三銀▲2四歩▽同歩▲4五歩▽5四銀▲5六銀▽6五歩▲5五銀左と進んだ。

この局面では2枚の銀を使って勢いよく攻めることができており、先手の仕掛けが成功していそうだ。やはり▲9六歩を突けている急戦矢倉は優秀だと言える。

 

ここから数十手進んで以下図。

本譜はここで▲4五桂と跳ねた。悪手ではないが、攻めとしてはやや甘かった。ここでは▲5三歩が素晴らしい手で、もし指せていれば決め手に近かったかもしれない。

▽同角は▲4五桂があるし、▽5一歩と受けるのは後手の角筋が止まり角が使い物にならなくなる。▲4五桂をより厳しくするという発想で、もう1歩踏み込んで読めていれば思いついたかもしれない。

ただこの決め手は逃したものの、中盤は大きなミスなく進めることができ、優勢を維持したまま終盤を迎えることができた。

 

【終盤】決め手を逃し、粘りに手を焼く展開に

【先手:babsho 後手:はるんさん】

優勢なまま迎えた終盤戦。ここで▲3五桂と打てば決まっていたのだが、10秒将棋の秒読みに追われてしまい、▲1五桂と打ってしまった。この決め手を逃して以降、はるんさんの粘りに手を焼く展開となる。

数手進んで以下の局面。

▲6三角成となってほぼ受けなしと思われたこの局面だが、はるんさんはここで受けの妙手順を捻り出した。それが▽6八歩▲同金▽4七角▲7九玉▽6五角成という手順だ。

馬を作り銀に紐をつけ、5四の地点をカバーする受けの妙手順だ。これに替えて単に▽5三金と受けるのは、▲3ニ銀▽同飛▲5四金▽同金▲3ニ成銀で寄り筋である。

結果的には、▽4七角には▲5八飛と受けるのが綺麗な決め手だった。理屈はわかるのだが、これは10秒ではなかなか指せない...

決まったと思われた局面から、はるんさん渾身の粘りである。

 

実戦はさらに熱戦が続き、以下局面を迎える。

▲3ニ角は綺麗ではないが、保険をかけながらの寄せで手堅かったようだ。

次に▲2ニ角▽同玉▲2四飛からの詰めろになっている。▽3一金や▽2ニ金と受けられても、角の効きを生かして▲5四歩▽4ニ銀▲4三歩と追撃が効くかたちになっている。

▲3ニ角以降はなんとか寄せ切り、141手の熱戦の末、なんとか勝ちきった。

 

はるんさんの粘りが素晴らしく、最後までどちらが勝つか分からない熱戦だった。