babshoの将棋ブログ

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パパ将が棋力向上を応援するブログ

【将棋の勉強法】強くなるために最も大切なのは継続すること

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将棋というゲームは複雑で、簡単には強くなれないゲームだ。何年も続けているのに強くなれない...そんな風に感じている人も多いのではないだろうか。

強くなるために何が大切か?と聞かれると、間違いなく「続けること」だと答える。そのためにも、将棋の勉強を「習慣化」するのが大切だ。

本記事では将棋を習慣化が大切な理由や、習慣化するための具体的な方法、また絶対に習慣化しておいたほうが良い将棋の勉強法について解説する。

 

【ブログ主の将棋歴】

  

 

強くなるために続けることが大切な理由

将棋は詰め込んでもすぐに強くなれないゲーム

続けることの大切な理由の1つ目は、「将棋はちょっと詰め込んだくらいでは強くなれない」からだ。

将棋は他のゲームに比べて複雑さが段違いである。将棋は1つの局面で平均80通りの手があると言われている。将棋の1局の手数は短いものでも60手程度はあり、単純な局面の分岐数を計算すると膨大な局面数になる。

 

実際には各局面で有力な候補手は多くても5〜6手程度であることがほとんどだが、それでも内容が同じ将棋はほぼ現れない。

つまり、将棋はちょっとセオリーを覚えれば勝てるような単純なゲームではなく、長い時間をかけて正解手を導き出せる考え方を身につけていくものなのだ。

 

将棋は離れると弱くなるのが早い

続けることが大切な理由の2つ目として、「将棋は離れるとすぐに弱くなる」からだ。どちらかといえばこちらのほうが大事な理由だと言える。

例えばブログ主の場合、最も将棋に打ち込んだのが大学在学中で、棋力はアマ五段(将棋倶楽部24で2400点程度)まで到達したことがある。

しかし社会人になってからは将棋から大きく離れた。今年の2月に久々に再開した当初の棋力は、アマ二〜三段程度まで落ちていた。

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再開後にすぐ棋力が戻ったのかと言うと、残念ながらそんなことはなかった。

再開後は毎日将棋をやっていたが、1ヶ月近くは三段だった。3ヶ月以上継続することで、ようやく将棋倶楽部24で五段(2300点)に戻ってきたが、それでも一番打ち込んでいた当時の棋力までは戻せていないのが現状だ。

これはあくまでブログ主の例だが、将棋は一度離れると弱くなるのがとても早く、そしてその棋力を戻すのがとても大変なのだ。

 

継続するための習慣化の方法

「毎日絶対にできる」時間と内容を習慣化する

ここからは習慣化の具体的な方法について解説する。

習慣化する上で大切なのは、「毎日絶対にできる時間」と「毎日絶対にできる内容」を行うことだ。

例えば、社会人であれば仕事が忙しく残業が発生することがあるだろう。学生であれば勉強や部活が忙しくなり、自由に使える時間が増えることもあるだろう。

それ以外にも、友達付き合いなど急な予定が入ることがあると思う。そのような想定外なことが起こっても、毎日絶対に続けられる時間と勉強内容を決めるべきだ。

 

人によっては10分程度しかないかもしれないが、10分を甘く見てはいけない

例えば「将棋クエスト」というアプリに「詰めチャレ」という機能がある。30秒で実戦詰将棋を1題解くというもので、10分あれば毎日20題解くことができる。毎月やれば600題1年通せば7200題を解くことになる。これだけの実戦詰将棋を解けば、1年後には相当終盤力が向上するだろう。

 

勉強時間を最初から長く設定するのはおすすめしない。できなかった時に挫折して将棋から離れてしまうきっかけになるからだ。時間は「少なすぎるかな?」と感じる程度からはじめて問題ない。継続しているとそのうち物足りなく感じるようになるので、そうなってから時間を伸ばせば良い。

 

また時間だけでなく、勉強内容も「絶対にできる」ものをチョイスすべきだ。例えば詰将棋が嫌いな人が無理にそれをやる必要はなく、実戦が好きなら実戦をやれば良い。苦になる勉強法を続けるのは挫折のキッカケになる。挫折せず続けるのが強くなるために最も大切なことだ。

 

このように、「絶対にできる時間」「絶対にできる内容」の2つを継続していくことで、その人なりの習慣化ができるようになるはずだ。

 

絶対に取り入れるべき勉強法

取り入れるべき勉強法は「振り返り」の1点のみ

習慣化する勉強法は何でも良いが、どんな勉強法を取り組むにしても絶対に取り入れるべきなのは「振り返り」だ。実戦であれば感想戦をやること、詰将棋であれば解けなかった問題の回答を確認して解き直そう。

 

振り返りの重要性を確認するために一つ例を考えてみたい。以下の2人だと、どちらの勉強法のほうが上達するだろうか。

  • Aさん: 実戦を毎月100局指す 感想戦を全くしない
  • Bさん: 実戦を毎月30局指す 感想戦を1局あたり5分やる

 

答えは間違いなくBさんである。

Aさんのほうが実戦数は3倍以上で、費やしている勉強時間もBさんの倍以上はある。ただ感想戦を全くしないというのが問題だ。自分の将棋のどこが良かったのか、どこが悪かったのかを理解しないまま指し続けており、棋力向上が望めない。

一方Bさんは対局数こそAさんより少ないが、振り返りで1局ごとに良かった手、悪かった手を認識しているため、着実にステップアップできている。良かった手は再現性を高め、悪かった手は再現性を抑えるように意識しながら取り組める。

 

たった5分の差だが、1ヶ月、1年という長い期間で考えた場合、この5分の振り返りの有無が大きな差となって棋力に反映される。振り返りをやるかどうかで、将棋の棋力が伸ばせるかが決まるといっても過言ではない。

 

振り返り対象蓄積のススメ「バックログ

ただ振り返りを疎かにしてしまう人の多くは、「振り返りの重要性は理解している」という人がほとんどではないだろうか。実戦で負けて熱くなり、感想戦をやらないまま次の対局を行って、結局振り返りをしないという人は多い。

そんな人におすすめなのが、振り返り対象を「貯めておく」ことだ。ブログ主は「バックログ」と呼んでいる。要は、対局後にすぐ感想戦をするのではなく、後で振り返る対象としてわかるように貯めておくのだ。

 

例えば毎日実戦をやるのであれば、それを翌日の勉強の初めに振り返るようにしたり、あるいは週末にまとまった時間を確保できるのであれば、そこで貯めておいた振り返りリストを消化していくような感じだ。

実戦は局後すぐだと冷静に振り返れないことも多いが、時間が経つと冷静に振り返りができることが多いので、勝負に熱くなりやすい人ほど効果的だ。ブログ主も再開直後は朝に実戦、夜に振り返りの「バックログ」を習慣化していた。

 

この記事のまとめ

  • 将棋で強くなるために最も大切なのは「継続すること」である。
  • 絶対にできる時間」「絶対にできる内容」を習慣化する。
  • 振り返りは絶対に取り入れる。毎日が難しいなら「バックログ」にする。

 

今日から何か習慣化したいという方へ 次の一手問題集

 

今日から何か習慣化したいという方へ 詰将棋問題集 

ブログ主の将棋歴を真面目に書いてみた

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ブログを読んでもらっている方々に、「お前は誰だ」とツッコミを入れられている図を想像して、ブログ主の将棋歴を書いておこうと思う。

しかし将棋歴って一体何を書けば良いのだろうか...良い感じのテンプレートでもあれば良いのだが、調べても見つからないため思いつくだけの項目をあげてみた。

基本項目 

経験年数:10年程度

高校まではいくつかの趣味の中の1つという位置づけで、遊びで指す程度。大学で棋書を読んだり、詰将棋を解いたりして勉強するようになった。

本腰入れてやったのは大学在学中の4年間で、社会人になってからは頻度が落ちていたが、2021年に本ブログ開設と同時に本格再開。

棋力:4段〜5段程度

2021年7月現在のオンライン将棋の棋力は以下の通り。

 

将棋倶楽部24:五段

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※2021年5月8日に五段に昇段しました!

 

・将棋ウォーズ(10秒):五段

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※2021年7月20日 10秒が五段に昇段しました!

 

・将棋クエスト詰めチャレ:七段

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※2021年7月10日に七段に昇段しました!

 

棋風:じっくりと指す居飛車

攻めはあまり得意ではなく、どちらかと言えば受け将棋。

思考:長考派

読みの早さには自信がない。じっくりと時間を使って着手するタイプ。

 

戦法経験(居飛車) 

戦法 習熟度 コメント
矢倉 経験がある戦型のため苦手意識はない。
角替わり 経験がある戦型のため苦手意識はない。
相掛かり 経験がある戦型のため苦手意識はない。
横歩取り 経験があるが、あまり得意ではない。
雁木 経験が少なく、あまり得意ではない。

戦法経験(対振り飛車) 

戦法 習熟度 コメント
四間飛車 経験がある戦型のため苦手意識はない。
三間飛車 石田流に対して苦手意識がある。
中飛車 経験がある戦型のため苦手意識はない。
対向かい飛車 経験が少なく、あまり得意ではない。

 

序盤・中盤・終盤の思考傾向

序盤

大学時代に居飛車の基本戦型「矢倉」「角替わり」「相掛かり」「横歩取り」を一通り勉強したが、棋書に書かれている細かい変化を暗記するという勉強が向いていなかったため、序盤研究でリードを奪うというのは早々に諦めた。

序盤は「悪くなりすぎない」ことを目標に駒組みをすることを意識している。そのため、激しい変化を避ける傾向が強い。

 

中盤

中盤は大きなミスをしないよう意識しており、自分から利益拡大を狙うより、相手の狙いを読んで利益損失しないことを心がけている。序盤研究をあまりしていない分、中盤は互角または劣勢で迎えることが多いため、このような思考傾向になっていると思う。

一方で序盤リードを取る経験が少ない分、そのリードを拡大するのがあまり得意ではないので、この点は中盤の課題だと思っている。

 

終盤

終盤の詰将棋や必死問題は、可もなく不可もなくというレベルである。最短で勝つという棋風ではなく、遠回りをしてでもわかりやすく勝つことを目標にしている。そのため、長期の終盤戦や泥試合に大きな苦手意識はない。

その反面、1手を争う接戦の終盤や、超手数の読みが要求されるような難解な終盤戦は苦手である。詰み逃しや頓死はかなり多いが、この点は仕方がないと割り切っている。

 

ブログ主コメント

ブログ主は将棋を本格的に打ち込んだのがやや遅く、若い頃の爆発的に棋力が向上する機会を逃している。ただ打ち込むのが遅かった分、強くなるためにやったことの記憶が鮮明であるため、そういった経験を言語化して紹介できればと思う。

 

中盤・終盤力を磨く次の一手問題集(6)

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前回に引き続き、自分の将棋を題材にした次の一手の問題集を作ってみた。

※作成経緯は初回記事の冒頭にまとめているので、興味がある方はご覧ください。

babsho.hatenablog.com

 

問題51:終盤の問題(22)

【先手:相手 後手:babsho】

▲6四角成として、角取りに攻めを催促してきた局面。後手はどう指す?

 

正解を表示

【正解は▽5六銀】

【解説】

▽5六銀と角に紐をつけながら▽4七銀成を狙うのが正解。後手は▲6五馬と指すしかないが、▽同銀と取っておく。

一見すると攻めが遠のいたように見えるが、次の▽5六桂が厳しい狙いとして残っているため、後手の優勢が続く。

★相手の価値の高い馬との交換なので、釣り合いは取れている。自分の駒の効率だけでなく、相手の駒の価値も考えよう。

問題52:中盤の問題(30)

【先手:babsho 後手:相手】

▽7六歩と角取りに歩を伸ばした局面。先手はどう対応する?

 

正解を表示

【正解は▲6八角

【解説】

冷静に▲6八角と引くのが正解。以下▽5五角は▲6六歩、▽5六歩は▲同銀▽同銀▲同金と対応すれば、▲3三歩成で桂得する手が残っており先手が優勢だ。

問題図の局面では▽7七歩成▲同桂が銀取りになることに注目して、▲3三歩成と攻め合いに行く変化も考えられるが、それには▽5六歩から攻め合いにこられて後手優勢。

★「実質」桂得なので、駒損しない変化を選べば自然に戦力差を作り出せる。

問題53:中盤の問題(31)

【先手:相手 後手:babsho】

 ▽3七歩成に▲2九歩成と引いた局面。後手はどう指す?

正解を表示

【正解は▽3三桂】

駒の損得はないが、と金ができているため問題図の局面は後手が優勢。と金の厚みを生かして先手の攻めをおさえる方針で指していきたいところだ。

正解は▽3三桂と跳ねて、先手の攻めの要の1つである銀を狙う手。▲7五桂と攻めてくる手に対しては、▽4五桂▲6三桂成▽同金と、局面をスッキリさせるとわかりやすい。

なお実戦ではその▲7五桂を消して▽7四歩と受けたが、▲6五歩が非常に厳しく先手が息を吹き返す展開になってしまった。

★受けにまわる時はケアする場所を明確にすることが大切である。この局面でこちらが最も攻められたくないのは角頭。そこを狙っている銀を追い返すのは自然な発想だ。

問題54:中盤の問題(32)

【先手:babsho 後手:相手】

▲8五桂に▽8四銀左とかわした局面。ここで先手はどう指す?

 

正解を表示

【正解は▲4五桂】

【解説】

桂馬の入手をはかる▲4五桂が正解。先手は桂交換すると▲7四桂の狙いがある。

▲4五桂以下は▽同桂▲同歩▽7三歩▲9三歩▽同桂▲同桂成▽同香▲8五桂▽9四香▲7三桂成▽同金▲8五歩▽9五銀▲7七角が進行の一例だ。

先手桂損ながら、次に▲8七桂や▲5六歩を狙って十分戦える形勢だ。

★攻めに参加している駒が少ないときは、攻め駒の入手をはかる手を候補にしよう。

問題55:中盤の問題(33)

【先手:相手 後手:babsho】

先手が右玉が囲いに入る前に▲4五歩▽同歩▲同銀と動いてきた局面。後手はどう切り返す?

正解を表示

【正解は▽6五桂】

【解説】

▽6五桂と反撃するのが正解。以下▲9五角と王手するのは▽5三玉▲5六銀▽9四歩▲6八角▽4五桂と反撃して後手が互角以上に戦える。

正解手▽6五桂に▲6六角は▽5七桂成と成り捨てる。

以下▲同飛▽4五桂と切り返して後手優勢。

★右玉の玉側の桂は戦いがはじまったら▽6五桂と跳ねて活躍できることが多い。

問題56:中盤の問題(34)

【先手:相手 後手:babsho】

後手からの▽3六歩〜▽3五歩に備えて、▲6八角と引いてきた(▽3五歩に▲4五歩と突き返す狙いだ)。後手はどう指すか?

正解を表示

【正解は▽3六歩】

【解説】

それでも▽3六歩が正解。以下▲同金▽3五歩▲4五歩にあっさり▽3六歩と取り込んでしまうのが良い。以下▲2四角と角は取られるが、▽3七歩成▲同銀▽4五桂と進めば、駒得をしながら後手の重たかった攻め駒が全て捌ける。

★局所的な戦いになった場合、角の価値は大幅に低くなる。ましてこのような2枚替えとなる変化は遠慮せず挑んでいこう。

問題57:中盤の問題(35)

【先手:相手 後手:babsho】

先手の飛車先交換に反応して、▽3五歩▲同歩としたところ。ここで後手の継続手は?(以降の展開も含めて)

 

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【正解は▽同銀】

【解説】

シンプルに▽同銀が正解。以下▲2九飛は▽3六歩が厳しいので▲3四飛と銀に当てる。

▲3四飛には▽4四銀とじっと引くのが冷静で、そこで▲2四飛と戻る手には▽3六歩▲同銀▽1四角と打つのが狙い筋だ。

▲2五歩と銀取りを受けたいのだが、飛車の退路が無くなり▽2三金で捕まる。

また▲2四飛と戻るところを▲4五歩と指す手も見えるが、それには▽2三金▲3六飛▽3五歩▲2六飛▽2五歩▲同桂▽4五桂と巧みに対応する。

上図は▽3七桂成や▽2四歩の狙いが残り、後手が優勢だ。

★土井矢倉の陣形には▽1四角が頻出手筋なので覚えておこう。

問題58:中盤の問題(36)

【先手:相手 後手:babsho】

▲3五歩と突いてきた局面。後手はどう応じる?(3手の読み)

正解を表示

【正解は▽1四歩▲同香▽1三歩】

【解説】

手持ちの1歩を生かして、香車を取りに行くのが正解。

正解図以下▲同香成は▽同銀で後手が香得になる。

★釣り上げた香を2歩持って取りに行く手順を覚えておこう。

問題59:中盤の問題(37)

【先手:相手 後手:babsho】

ミレニアムの偏った陣形を咎めるべく、先手が▲6四歩▽同歩▲6三角と打ち込んできた。後手はどう対処するか?(正解手とその後の読みも含めて)

正解を表示

【正解は▽3五角】

【解説】

▽3五角と打つのが正解。以下▲5四角成に▽8六歩▲同歩▽8七歩が狙い。

次に▽8八歩成▲同金▽6八角成と進めば、後手も手を作れるようになるのでミレニアムの堅さが生きる展開となる。

先手が▲5八金などと受ければ、▽5三金▲3六馬と馬を追い払った後に▽8六飛と走っておいて十分である。

★7八金型に対して▽3五角や▽2四角と打ち、▽8七歩と垂らす手筋を覚えておこう。

問題60:終盤の問題(23)

【先手:babsho 後手:相手】

▽2八歩と打った局面。先手はどう指すか?

正解を表示

【正解は▲7二角成】

【解説】

▲7二角成と馬を切るのが正解。以下▽同金に▲7六桂▽6三金左▲5二銀で攻めが継続できる。

▲7二角成と切らずに▲7六桂や▲5六桂でも先手が十分だが、▽4五銀と角を切る手を防がれるとやや攻めが細くなるので、切ってしまったほうがわかりやすい。

★4四の銀を守備に機能させない目的で、角を切ってしまうのが良い。

 

次の問題集はこちら

中盤・終盤力を磨く次の一手問題集(5)

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前回に引き続き、自分の将棋を題材にした次の一手の問題集を作ってみた。

※作成経緯は初回記事の冒頭にまとめているので、興味がある方はご覧ください。

babsho.hatenablog.com

問題41:中盤の問題(22)

【先手:相手 後手:babsho】

▲7五角と出たところ。後手はどう指すか?(3手の読み)

 

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【正解は▽同飛▲同歩▽4五桂】

【解説】

後手玉がしっかりしているので、ここで一気に戦いに持ち込みたいところ。勢いよく飛車を切って▽4五桂が正解。

▲同桂に▽2七角が厳しい。▲同玉は▽4八角成なので▲3九玉と逃げるが、▽4六歩▲同銀▽4七歩で攻めが決まる。

★攻め駒が少ない時は局地的な攻めで戦力を集中させよう。戦場から離れた駒(この場合は飛車)を切って、目標の場所に投資しよう。

問題42:中盤の問題(23)

【先手:babsho 後手:相手】

後手が早繰り銀から銀交換をした局面。先手の次の手は?

 

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【正解は▲6一銀】

【解説】

ここで▲8七歩▽8二飛とシンプルに進めても1局だが、後手から▽1五歩▲同歩▽1七歩という端攻めの明確な狙いがあるため、主導権を握られやすい。

▲6一銀と打つのが面白い手で、以下▽5一金や▽6二金は▲9五角で決まる。

▲6一銀には▽4三金の応手が最善で、以下▲7七桂と跳ねておく。▽7六歩には▲9五角▽8二飛▲6五桂▽8五飛▲6二角成▽6五飛▲5二銀で、桂損ながら後手玉に攻めかかれる展開になる。

★下段飛車の構えをしている時は、▲8七歩以外の反撃がないか考える癖をつけよう。 

問題43:中盤の問題(24)

【先手:相手 後手:babsho】

▽7六歩▲同金と先手の金が釣り上がったところ。後手は攻めを継続させたいが、どう手を作るか?(3手の読み)

 

正解を表示

【正解は▽7五歩▲同金▽8六歩】

【解説】

▽7五歩で金を更に釣り上げてから▽8六歩が正解。

以下▲同歩▽同飛▲8七歩に▽6六飛で、飛車の成り込みを狙っていくのが厳しい。

★飛車は縦横の2方向に使おう。

問題44:中盤の問題(25)

【先手:相手 後手:babsho】

先手が桂損ながら銀をぶつけてきた局面。後手の正しい応手は?

 

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【正解は▽6三歩】

【解説】

▽6三歩と下から受けるのが正解。以下▲6四銀▽同歩▲同飛には▽5五角の反撃が厳しく、▲6九飛▽3六桂▲1八玉▽4八銀で後手勝勢。

正解手▽6三歩に▲7四銀と出て次の▲6三銀成〜▲7二角を狙う手に対しては、▽5一飛とその狙いを受けておけば、後手の桂得が残ってはっきり優勢。

★相手の飛車を狙いに反撃する変化は有力であることが多い。

問題45:終盤の問題(20)

【先手:相手 後手:babsho】

▽5六銀に▲6六歩と角筋を受けた局面。後手の攻めの継続手は?

 

正解を表示

【正解は▽4五桂】

【解説】

▽4五桂と5七の地点を狙うのが正解。以下▲5六歩と銀を取る手には、▽5七金▲5九玉▽2九銀不成が、次の▽6七桂を見せながら遊び駒の銀を活用する決め手。

★玉だけで守っている地点を局所的に攻める手は猛烈に厳しい。

問題46:終盤の問題(21)

【先手:相手 後手:babsho】

▽3二角に▲7一龍と逃げた局面。手番を握った後手はどう攻めていくか?正解手以降の展開も読んでみてほしい。

 

正解を表示

【正解は▽6八銀成】

【解説】

▽6八銀成とシンプルに飛車を取るのが正解。

以下▲同金引は▽5九飛と打ち、▽2九飛成〜▽7六桂の攻めを狙うのが早い。

また正解手▽6八銀成に▲同金寄は、▽5四馬と引いて薄くなった8七の地点を狙うのが厳しい攻めだ。

★終盤は守りの金を剥がす手だけでなく、守りの金をズラす手も敵陣の守備力を下げられるので価値が高い。

問題47:中盤の問題(26)

【先手:babsho 後手:相手】

▽3二玉と飛車成りを受けてきた局面。先手が攻めを継続するには?

 

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【正解は▲2二金】

【解説】

駒の効率は悪いが、▲2二金と打つのが正解。

以下▽4一玉に▲2一金と桂馬を取っておき、飛車を成れるようにしておけば確実に攻めを継続できる。

★価値の低い手(2ニ金)を指す代償に、価値の高い手(2三飛成)を指せるのであれば十分に有力。

問題48:中盤の問題(27)

【先手:babsho 後手:相手】

▽5四同銀と歩をとった局面。先手はどう指す?

 

正解を表示

【正解は▲7五歩】

【解説】

▲7五歩が攻めの継続手で、以下▽同歩は▲7四歩▽同銀▲7二角の筋を狙う。

また▽4三銀と引く手には、▲4五歩▽同歩▲7四歩▽同銀▲7二角で馬を作る狙い。

★相手の飛車の小びんに角や銀を打つ手は常に狙いにいれよう。そのためには飛車の斜めを守っている駒に働きかけるのが重要だ。

問題48:中盤の問題(27)

【先手:babsho 後手:相手】

▽6五同歩と後手が銀を取った局面。先手の次の一手は?

 

正解を表示

【正解は▲4八玉】

【解説】

問題図の局面、後手からは次に2つの狙いがある。

一つは▽7五角と打つ手。これは直前の6五歩と連動しているので、気付きやすい。

もう一つの狙いが気付きにくく、▽2八銀と打つ手である。▲同飛は▽3九角の王手飛車取りの狙いで、飛車が逃げれば▽3七銀成と桂を取る狙いである。

これらを両方受けるためには、正解手の▲4八玉しかないのだ。

★2つの狙いに共通的な対象がある場合、原則その駒を移動させるしか受けはない。

問題49:中盤の問題(28)

【先手:相手 後手:babsho】

右玉の中盤戦。先手は▲4七金と桂頭をカバーしてきた。後手の次の一手は?

 

正解を表示

【正解は▽5五銀】

【解説】

▲4七金型に対しては▽3五歩とは行かずに、▽5五銀とぶつけてしまうのが良い。

以下▲6七銀は▽6五歩で攻めが続くので、▲同銀▽同歩となるのが自然。

銀交換をした後、後手は▽7二玉を入れた後に▽4九角と打つのが狙い筋となる。

★角替わりで角銀を持って飛車を狙いに手を作るのは常套手段だ。

問題50:中盤の問題(29)

【先手:相手 後手:babsho】

前問49から数手進んだ局面。後手はどう指すか?

 

正解を表示

【正解は▽4九角】

【解説】

前問でも解説で示した▽4九角が狙いの一手だ。▲4八金や▲5八銀には▽3九銀や▽2七銀で飛車に働きかければ、角が捕まることはない。後手からは次に▽6七銀〜▽5八角成という手順が狙いとなる。

この筋を指す前に▽7二玉と寄っておくのが重要で、もし▽6二玉のまま仕掛けてしまうと、▲4八金▽3九銀▲1七角と、王手をかけながら飛車に紐をつけられてしまう。

★角替わりで角銀を持って飛車を狙いに手を作るのは常套手段だ。

 

次の問題集はこちら 

babsho.hatenablog.com

第2期じゃん王戦の対局振り返り(4)

じゃん王戦の対局を振り返るシリーズ。今回は3回戦のはるんさんとの対局を振り返っていこうと思う。

はるんさんもはてなブログをされていて、対局の振り返りや詰将棋などを記事にされている。はるんさんのブログはこちら。

senjanharun.hatenablog.com

 

将棋はというと、1局目は相右玉という珍しい戦型、2局目は急戦矢倉の将棋になった。今回は熱戦だった2局目の矢倉の将棋について、振り返っていこうと思う。

 

 

【序盤】いつも迷う矢倉の戦型選択

【先手:babsho 後手:はるんさん】

矢倉の出だしから▲4六歩と突いたところ。シンプルに矢倉にするのであれば▲4六歩は突かないのだが、残念ながら最近の矢倉の定石を知らない...

なので、定石を外して力戦になりやすいように駒組をしており、相手の出方を見ながら右玉と、本譜の急戦矢倉を天秤にかけながら駒組みをしている。

本譜は▲6六銀と出て急戦矢倉を目指していった。

9筋の端歩の交換が入っているのが大きい。入っていなければ▽8六歩▲同歩▽同角▲8七歩▽9五角というのが昔からある受けの定石手順だが、それが無くなっている。

本譜も▽8六歩と歩の交換をしてきたが、角は9五に引けないため4ニに引くことになる。以下▲5五歩と開戦していった。

▽同歩は▲4五歩▽同歩▲同桂▽4四銀▲4六銀と進むため先手が好調。2枚の銀に桂も使えてガンガン攻めて行けそうだ。主導権を握り、先手ペースで中盤戦を迎えた。

 

【中盤】2枚銀での好調な攻め

【先手:babsho 後手:はるんさん】

こちらの▲5五歩の仕掛けに対し、実戦は▽6四歩と受けてきた。以下▲5四歩▽6三銀▲2四歩▽同歩▲4五歩▽5四銀▲5六銀▽6五歩▲5五銀左と進んだ。

この局面では2枚の銀を使って勢いよく攻めることができており、先手の仕掛けが成功していそうだ。やはり▲9六歩を突けている急戦矢倉は優秀だと言える。

 

ここから数十手進んで以下図。

本譜はここで▲4五桂と跳ねた。悪手ではないが、攻めとしてはやや甘かった。ここでは▲5三歩が素晴らしい手で、もし指せていれば決め手に近かったかもしれない。

▽同角は▲4五桂があるし、▽5一歩と受けるのは後手の角筋が止まり角が使い物にならなくなる。▲4五桂をより厳しくするという発想で、もう1歩踏み込んで読めていれば思いついたかもしれない。

ただこの決め手は逃したものの、中盤は大きなミスなく進めることができ、優勢を維持したまま終盤を迎えることができた。

 

【終盤】決め手を逃し、粘りに手を焼く展開に

【先手:babsho 後手:はるんさん】

優勢なまま迎えた終盤戦。ここで▲3五桂と打てば決まっていたのだが、10秒将棋の秒読みに追われてしまい、▲1五桂と打ってしまった。この決め手を逃して以降、はるんさんの粘りに手を焼く展開となる。

数手進んで以下の局面。

▲6三角成となってほぼ受けなしと思われたこの局面だが、はるんさんはここで受けの妙手順を捻り出した。それが▽6八歩▲同金▽4七角▲7九玉▽6五角成という手順だ。

馬を作り銀に紐をつけ、5四の地点をカバーする受けの妙手順だ。これに替えて単に▽5三金と受けるのは、▲3ニ銀▽同飛▲5四金▽同金▲3ニ成銀で寄り筋である。

結果的には、▽4七角には▲5八飛と受けるのが綺麗な決め手だった。理屈はわかるのだが、これは10秒ではなかなか指せない...

決まったと思われた局面から、はるんさん渾身の粘りである。

 

実戦はさらに熱戦が続き、以下局面を迎える。

▲3ニ角は綺麗ではないが、保険をかけながらの寄せで手堅かったようだ。

次に▲2ニ角▽同玉▲2四飛からの詰めろになっている。▽3一金や▽2ニ金と受けられても、角の効きを生かして▲5四歩▽4ニ銀▲4三歩と追撃が効くかたちになっている。

▲3ニ角以降はなんとか寄せ切り、141手の熱戦の末、なんとか勝ちきった。

 

はるんさんの粘りが素晴らしく、最後までどちらが勝つか分からない熱戦だった。

第2期じゃん王戦の対局振り返り(3)

前回に引き続き、第2期じゃん王戦の将棋について振り返ってみたいと思う。

今回も前回に引き続き、大会の運営者でもある無限さんとの対局で、2局目について振り返っていこうと思う。前回同様に四間飛車対ミレニアムの将棋になり、最近よく見かける対策を採用された。この機会にしっかり序盤を勉強しておきたい。

無限さんとの1局目の将棋はこちら。

babsho.hatenablog.com 

【序盤】最近のミレニアム対策 腰掛け金

【先手:無限さん 後手:babsho】 

こちらは前回と全く同じ駒組みだが、先手は全く違う構え。金を▲4六金と腰掛けて、▲5五歩からの攻めを狙っている。実戦もここから▲5五歩と突いてきた。

 

【中盤1】みんなが指してる▲3六歩の意味をようやく認識

【先手:無限さん 後手:babsho】

▲5五歩と仕掛けて中盤戦の開始。実戦はここから▽同歩▲同金▽8六歩と対応したが、実は▽3五角と上がっておけば、わかりやすく居飛車が良しだった模様。

次の▽7九角成を受けるには▲5九飛しかないが、▽8六歩▲同歩▽8八歩や▽8六歩▲同歩▽8七歩で決まっている。そのため、振り飛車側は▲3六歩と突いておき、▽3五角を防いでから仕掛ける必要があったようだ。

なぜ玉の小びんである▲3六歩をみんな突いているのか疑問だったが、▽3五角を防ぐためだったということでようやく納得できた。

 

【中盤2〜終盤】絶妙なタイミングでの歩の叩きが決まる

実戦は▽3五角ではなく、先述の通り▽8六歩と突き捨てを入れていく。

【先手:無限さん 後手:babsho】

ここは手抜いて▲4四金もありそうなところで、振り飛車が変化するとしたらここだったようだ。この変化については本記事の後半で取り上げてみようと思う。

実戦は▲同歩と対応したが、▽5七歩がギリギリのタイミングでの叩き。

飛車を逃げると金が取られてしまうので▲同飛の一手だが、飛車を2段目からズラしたのを見て▽5三角と引く。

飛車をズラした効果で、ここで▲8八飛と受ける手が指せなくなっている。

ここで▲5八飛と戻っても、▽8六角▲8八飛▽7七角成▲8ニ飛▽6七馬と攻め合えば後手がはっきり優勢だ。

実戦も▲6五歩に▽8六角から飛車先を捌いて優勢になった。終盤はややグダった攻めになってしまったが、中盤の優劣の差が最後まで大きく勝ち切った。

 

振り飛車側の変化とその対策について考えてみる

実戦の仕掛け前の局面に、検討で必要であることがわかった▲3六歩を追加してみる。後手は何を指すのがわからないが、とりあえず▽7四歩。

ここから同じように▲5五歩▽同歩▲同金▽8六歩と進める。

ここで▲同歩は本譜同様に▽5七歩〜▽5三角で決まるので、▲4四金と変化してみる。

以下▽8七歩成▲3三金と進んで以下図。

ここで▽同銀右は▲6八角と引かれておいて、意外と居飛車からスッキリ飛車先を突破する手がない。(▽7八とは▲同銀、▽9八とは▲8六歩のように受けられる)

そのため▲3三金には▽7七とでどうか。以下▲3ニ金▽同金▲7七桂▽5七歩▲同飛▽6八角が一例だが、▲5八銀が結構ピッタリとした受け。

以下▽5七角成▲同銀▽8八飛成には▲6五桂と捌いておけば、遊び駒もなく、桂得している振り飛車が十分指せるのではないだろうか。歩が3歩に桂もあるので、振り飛車側から端攻めも狙えそうだ。

 

では、居飛車が変化する順はあっただろうか?切り合いの変化が嫌なのであれば、▲5五金に▽6ニ角と引いて仕切り直す手が有力そうだ。

次に小びん攻めを狙った▽7三角や、▽8六歩▲同歩▽9五角、または▽8六歩▲同歩▽8五歩▲同歩▽7三桂など、善悪は難しいが攻めの引き出しには困らなさそうで、アマチュアうしの対局では実戦的に居飛車が勝ちやすいような気がする。

まだまだ深堀すれば変化はありそうだが、居飛車が互角には戦えそうというところで一旦は結論づけておこうと思う。

 

普段は序盤研究をあまりしないので、今回のミレニアム序盤研究については非常に新鮮だった。他の戦法についても同じように研究すればもっと勝てるのかもしれないが、なかなかキッカケがないとやる気にならないのが難しいところではある。

今回、そのキッカケを作ってくれた無限さんには感謝。おかげで最近のミレニアム対策について少しだけ理解が深まった。今後も機会があれば、序盤研究を少しでもできればと思う。序盤の勉強足りてないのはウォーズの棋力チャートに現れているので...

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対局してくださった無限さんの将棋ブログはこちら。 

infi-shogi-kizuna.hatenablog.com

第2期じゃん王戦の対局振り返り(2)

前回に引き続き、第2期じゃん王戦の将棋について振り返ってみたいと思う。

今回は大会の運営者でもある無限さんとの対局1局目について振り返る。2局とも四間飛車対ミレニアムの将棋になり、最近よく見かける対策を採用された。普段は序盤の勉強を疎かにしがちなので、この機会にしっかり序盤を勉強しておきたいところだ。

 

【序盤】最近のミレニアム対策 振り飛車ミレニアム

【先手:babsho 後手:無限さん】 

無限さんは振り飛車党で四間飛車が得意なようだ。こちらはずっと使い続けているミレニアムを採用したが、相手もミレニアムを採用してきた。

似たような囲いで掴みどころがないが、陣形を比較してみよう。

居飛車の主張点は飛車先を突破しやすいという従来からの利点に加え、振り飛車よりも右銀を囲いにくっつけやすく、玉型が堅くなりやすいところだろうか。後は本譜のように▲8七銀と銀冠もどきのような形に発展できる(振り飛車居飛車の角の効きがあるため▽8四歩を突きにくい)ため、上部を厚くしやすいところも主張だろうか。

一方の振り飛車は、「居飛車の▲6六角を目標にしやすい」ところが主張か。例えば▽6五歩▲5七角と進んだ場合、角頭を守っている駒がいない。いかに居飛車の角をターゲットに駒組みできるかが振り飛車側のポイントなのかもしれない。

※あまり経験がなく見た目だけで判断しているため、詳しい方はコメントいただけると助かります

 

【中盤1】端から逆襲して玉型を乱してペースを握る

【先手:babsho 後手:無限さん】

駒組みが完成して早々に端を逆襲していった。以下▽同歩▲同銀▽6三銀▲9五歩▽6五歩▲5七角▽4五歩▲8七銀と進む。

ここで▽9三歩と受ければこれ以上端の攻めはないが、端を詰めていた関係が逆転するため居飛車がはっきり得である。本譜はそれを嫌って▽8四歩と突いてきたが、▲9四歩▽7ニ金寄▲8四角で、▲9三歩成を先手にしながら歩を取ることができた。

以下▽8三金と頑張ったが、▲5七角と戻っておいて以下の図。

▽8三金と上部を厚く受けられたため、端からの攻略は難しくなったが、後手陣の玉型を薄くすることに成功した。以降は端からの攻めに拘るのではなく、大駒を敵陣に進出して側面からの攻めを狙っていけば、囲いの差で優勢を築けそうだ。

 

【中盤2】角ぶつけは飛車先突破のチャンス

【先手:babsho 後手:無限さん】

▽6六歩と突いてきたところ。これは角のラインをケアして端攻め緩和を狙った手だ。

実戦は▲2四歩▽同歩▲6六角と対応した。

このように角をぶつける手がある時は捌きのチャンスなので、囲いの堅さで勝っている場合は積極的に読みに入れたいところだ。2筋の突き捨ても入れたことで、居飛車の飛車角の捌きの目処が立ち、優勢となった。

 

【終盤】端の攻防で薄くなった側面から攻める

【先手:babsho 後手:無限さん】

居飛車優勢で迎えた終盤戦。いま▽4一歩と龍効きをとめて粘ってきた局面だ。

相手の囲いは端の攻防で金が上ずっていることもあり、側面からの攻めに弱い。そのためいま▽4一歩で遮られた龍を活躍させて、横からの攻めを狙っていきたいところだ。

実戦は▲2七角▽2九龍▲7ニ銀成▽同金▲4一龍▽7一銀▲6ニ金と攻めていった。

▲2七角は相手の龍を4筋からずらして自分の龍を活用できるようにする手だ。最終手▲6ニ金で次の▲7一龍と▲7ニ角成の両方が受からず、ここで投了となった。

 

振り飛車側が端の逆襲を未然に防ぐには?

本譜は端の逆襲で居飛車がポイントをあげたことが優劣の差を生む要因となった。端を突きこさなければ逆襲がないと言えばそれまでだが、ミレニアム以外の戦法も俯瞰しての作戦だと思うので、ここでは端を詰めた上で振り飛車側に対策がないか考えたい。

 

振り飛車側の駒組み手順を少し工夫してみたのが以下の図だ。

▽6二金寄を1手省略して、実戦より早めに▽6五歩▲5七角▽4五歩と進めている。

ここで同じように▲9六歩と行った場合、▽同歩▲同銀▽6三銀▲9五歩▽4六歩と対応したのが以下の図。

▲同歩なら先手の角の活用が困難になる上に、4六を守っている駒が角だけであり、後手の攻めの目標にされそうだ。具体的には▽5四歩と突いておき、次に▽5五歩〜▽5六歩を狙うくらいで振り飛車ペースだろう。

これは記事前半で書いた振り飛車側の主張点居飛車の▲6六角を目標にしやすい」という典型的な例だ。

そのため▽4六歩には▲同角が自然だが、▲同角と取ることで6筋〜7筋の守備力が落ちている。継続手として▽6六歩でどうか。

以下▲同歩なら飛車先を突き捨てた手を生かして▽4六飛▲同歩▽3九角▲3八飛▽6六角引成と進めて以下の図。

ここで注目したいのが、端の逆襲で9六に進出した銀が守備に機能しておらず、囲いが弱体化した状態で開戦してしまっているところだ。例えば振り飛車から▽7五歩と攻められると受けに効いていない。振り飛車が端の逆襲を上手く咎めた例と言えるだろう。

 

まとめると▽4六歩を早めに突けるようにして、先手の角の働きを制限し、目標にすることが振り飛車側の端逆襲対策の第一歩では?という感じだ。

深堀りすればまだまだ変化はありそうだが、やはりミレニアムでは、先手の▲6六角の働きが、序盤優劣における重要なファクターであることを再認識できた。

 

無限さんとの2局目の将棋振り返りはこちら

babsho.hatenablog.com